担保と差し押さえに関する知識
差し押さえ
ここでは、民事上の差し押さえを説明します。
差し押さえとは、不動産(土地・建物など)や動産(不動産以外の有形財産)、債権(お金などを貰う権利)などについて、処分禁止措置の国家権力によって行うことを指します。簡単に言うと、もはやそれは自分の所有物や権利ではない様な状態になってしまいます。(詳細は
民事執行法を参照)
最終的には差し押さえ後に強制執行でそのものを取り上げられ、処分(競売など)換金され、返済に充てられます。
関連として、仮差し押さえというものがありますが、これは差し押さえをする前段階で差し押さえの予約をしておいて、後に差し押さえを行ったときにスムーズに事が運ぶようにする臨時手段です(詳細は
民事保全法を参照)。
差し押さえは事前に抵当権や公正証書などで担保にしたものでない限り裁判でしか実施することができませんので時間がかかります。
このため先に処分されてしまわないようにする仕組みです。
非常に難しい話になってますので、ローンで返済ができなくなった場合を例に挙げて説明します。
この手の話で最もポピュラーなのが、給与差し押さえです。
督促などの取立後に貸付金を回収できないと融資会社は、あなたの給与を差し押さえに入ります。
あなたの努めている会社はこの通知がされるとあなたに全額の給与を支払えなくなります。(差し押さえ分は、融資会社に支払うか、
供託をすることになる)
この場合、あなたは、(給与の総支給額−法定控除額)×(3/4)+法定控除額の給与しか貰えなくなります。(法定控除額:所得税,住民税,社会保険料など)(3/4を掛けた額は43万円が限度)
どうですか?こうなると強制的に給料から返済額が控除されていくことになりますし、会社にも迷惑をかけることにもなります。最低限の生活はできるようになっていますが・・・。
持ち家などの財産がある場合は、
持ち家を差し押さえられ、競売で売りさばかれてしまいます(住宅ローンがあれば通常抵当権が設定されていたり、古いと売れないなどで少々の多重債務などではなかなかここまではありませんが)。
競売になると買い取りをする不動産業者が下見にきたりしますので近所にもばれてしまう可能性が「大」です(競売物件の殆どは不動産業者が買い取る)。
年金は法律上差し押さえできないようになっていますが、
融資会社は銀行口座を差し押さえすることが常ですので、結果として自由に引き出しができず、不便を強いられます。
(預金口座の差し押さえは、差し押さえ時点での預金残高が差し押さえの対象となります。
融資会社は給与や年金の振り込み先を知ることや振り込み日を知らないとうまく差し押さえることができません。
尚、差し押さえ以降に振り込まれる預金については、自由に引き出すことができます)
担保
担保とは、金銭の貸借契約(ローンなど)で将来返済できない状況になったときに、返済の代わりになるものをあらかじめ借り主が貸し主に提供するものです。
返済できない状況になった場合は、貸し主は一方的に担保を処分し返済に充てることができます。
広い意味では、保証人も担保の一種です。
担保は一般的に、質権・抵当権・根抵当権・仮登記担保といったものがあります。
質権:
質屋にもの(通常は動産)を入れるとお金を貸してくれますよね。
利子を付けてそのお金を返せばものは返してくれます。
お金を返さないと質流れ品として質屋は処分換金して貸したお金を取り戻します。
この仕組みで、お金を借りた場合にそのものを処分換金する権利のことと理解ください。
抵当権:
通常は不動産に設定されます。
登記をしてその権利を明確にします。
登記とは法務局で不動産の権利関係を登録した記録のことです。
登記順位によって債権回収の優先順位が決まりますので、普通は住宅ローン会社が第一順位の抵当権設定しています。
根抵当権:
根がつくと、限度額のみを定めた債権を担保するものになります。
通常は事業資金融資などに利用されます。
抵当権同様不動産に設定されるのが普通で、
登記してその権利を明確にします。
仮登記担保:
正確には所有権移転仮登記を担保とするものになります。
要は、支払いができなくなった場合に不動産の所有者を貸し手に移転する
登記を行うことを約束する形を明確にするために、事前に仮の登記をしておくものです。
登記は登記順に権利が優先されるので、仮の登記で順位を予約する形になるわけです。
この手の話は難しいことが多いので、必要であれば
弁護士の先生へ相談しましょう。